「空手女子」~空手ストーリー~ 8

カテゴリー │空手


道場では
厳しい練習ばかりではない。

先生は
私たちのことをよく
考えてくれ、
時には
面白い話をして
場を和ませてくれる。



厳しいけど......



心から優しい。


厳しさも優しさの1つだと
感じていた。


だが、


時には
先生の
急な思いつきに
驚かされることも
多々ある。


その1つの
エピソードとして

中学の時に
こんなことがあった。


わたしは、

ある空手の大会で
「組手競技」に
出場することになった。


だが..........。




私は乗り気ではない。

なんせ
戦う
組手が
大の苦手なのだ。


でも、なぜか

先生が

「出ろ。」

と言うので

仕方なく出場することを
決めたのだ。



パンチやキック。

当たるのも痛いし
怖くてすぐに
目をつぶってしまう。


型は演武で勝負だが。

組手は相手と戦い、
パンチやキックを当て
ポイントを多く
とった方が勝ちなのだ。


正直すごく嫌であった。


だが、
これは
道場のみんなが
通る道らしい。

出たい出たくないもくそもない。

先生が
勝手に出場を
決めるのだ(笑)



文句を言える者なんて





いるはずないだろう(笑)





先生の言うことは絶対だ。



申込みをして
しばらくすると
対戦表が
届いた。


恐る恐る
対戦表を見た。


すると......!?



なんと、
女子は
私一人だけの
申込みだった。


!?


(やったーーーーーーー!)
(※心のなかの声)


出場しなくていい!

よっしゃ!


喜びを隠しつつも
それを顔に出さぬよう
必死だった。


先生が
対戦表を見た瞬間。

私にこう言った。


「女子は誰もいないんだな。」


「.........。」



「よし。」


「それじゃあ
男子の組手に
トーナメント
組んでもらおう。」





(( ゜o゜)?



何を言ってるんですか先生。



聞き間違いだろうか。


そんなこと出来るのか?



いやいやいや、


無理であろう。




女子の部でも嫌なのに
男子の部に出場なんて
あまりにもひどすぎると思った。


嘘だと思った。




でも、
先生は本気だった。





わたしは、

女の子。


言った通り
この大会は
本当に
男子の部に
出場することが
決まったのだ。



そして
大会当日。


大会は
男子の人数も
少なかった。


三回戦まで
勝てば
優勝出来る人数だった。




「よし、一回戦で負けよう。」



考えてることは
おかしいが、


勝つことではなく
試合が無事に終わることだけを祈っていた。


(あぁ。早く終わってくれ)



心のなかで念じたが。



現実は
そうはいかなかった。



神様はいじわるなのか?



わたしにいたずらな
魔法をかけた。


なんと



一回戦

勝ってしまったのだ。






自分でも
信じられない。


ありえない。


夢か?




組手は嫌だが
わざと負けるのは
空手の精神に背くものだと
思っていた。

とりあえず
自分のもっている力を
出しきろうと頑張った。




そしたら




勝ってしまったのだ......



勢いは
止まらない。


「なんなんだ....?」


周りの男の子たちも
ざわめき始める。


そして

二回戦も勝ってしまった。




((((;゜Д゜)))

運なのか?



震えた。




喜んでいいのだろうか?



そんな気持ちだった。



そして早くも

決勝戦。


更に震えることとなる。




決勝の
相手は


沖縄県中学生大会の
チャンピオンだ。



\(゜ロ\)(/ロ゜)/
信じられない。



何故わたしが
こんな強い人と?

無理!


「お互いに礼!」



時間は待ってくれない......


「よーい。はじめ!」


審判が叫んだ。



(もうどうにでもなれ!)


私はかまえた。

このとき、
ふと小学生の頃の
エピソードを思い出す.....(笑)
(※空手女子ストーリー1を読んでね)


やはりチャンピオン。

私の攻撃なんて全く
当たらない。


上手くよける。


そして何より。


攻撃が速い。



瞬時にポイントを
奪われていく。


でも
私も

攻めることを
やめなかった。




そして、


最後に


奇跡が起こった?( ^-^)ノ∠※。.:*:・'°☆






と思いきや




瞬時に

チャンピオンに
上段蹴りを
ガツン!
と喰らわされ。


あたまがフラッとして

試合が終了。




ぼろぼろぼろ負け。




.......もう組手はしない。



そう決意した大会であった。



いま思えば
笑い話になる



ある意味

良い経験だ。



でも、あの時は
首のむち打ちがすごくて
一週間首が
動かなかった(笑)



そして、


私の家には
今でも

「男子個人組手 準優勝」の
賞状とトロフィーがある。




青春だ。



こんなこともあり、
先生の思いつきに
焦ることもあったのだ。

もっと
エピソードはあるが、
また少しずつ
お伝えしていきたいと思う(笑)


話が脱線したが、

それから
考える暇もなく
またいつものように
練習に励んだ。



中学の空手は引退。


中学三年。
受験だ。



そして


次の目標は
決まっている。

高校生の大会で
沖縄県で一番になり
全国大会で上位に立つことだ。

中学より
またレベルが高くなる。

これから
先輩達みたいな
すごい人達と
競うのかと思うと
より緊張した。

まずは
どこの高校を
受験するのか選ばなきゃ。


そこからがスタートだ。


そして、

なんと

道場で
嬉しいことがあった。



私に
後輩が出来たのだ。



初めて先輩と呼ばれるようになって恥ずかしい気持ちもあったがとても嬉しかった。


共に頑張る仲間でもあるが、
ライバルでもある。

そういう関係が
私にとってすごく刺激になった。


もう、道場では
したっぱではない。

少しずつみんなを
引っ張っていかなきゃ
いけない立場にも
なったのである。


引退しても

毎日稽古は行った。

高校生になる
自分に
向かっていくために。




~続く~



この記事へのコメント
素敵な先生ですね。自分の思惑通りいかないのが
人生の妙味かもしれません。いい経験ができましたね。

 首の痛み よくわかります。打撃系も首の鍛錬は
はずせませんね。
 
Posted by 草次郎草次郎 at 2017年02月03日 23:48
草次郎さん。
先生のおかげで色々な経験ができました。首の痛み。あれはみんな通る道ですね。よく、ストレッチでブリッジ等しましたよ(^^)
Posted by A-maA-ma at 2017年02月06日 20:25
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